由緒
猿沢池の北西畔に鎮座する春日大社の末社で、采女命を祀る。平安時代中期の歌物語『大和物語』によれば、奈良時代に天皇の寵愛が薄れたことを嘆いて猿沢池に身を投じた采女(宮中の女官)の霊を慰めるために創建されたと伝わる。社殿は池に背を向けて建っており、わが身を沈めた池を見るに忍びないと、一夜のうちに社が後ろを向いたという伝説が残る。例祭の采女祭は中秋の名月の日に行われ、JR奈良駅前から猿沢池へ花扇を奉納する行列が練り歩き、雅楽が奏でられる中で管絃船が池を巡って花扇を池に浮かべる「管絃船の儀」が行われる。