由緒
祭神の藤原旅子は太政大臣・藤原百川の娘で、桓武天皇の妃となり淳和天皇を生んだ。社伝によれば、龍華の荘(現在の大津市伊香立途中町・上龍華町・下龍華町)は藤原氏の食邑地で旅子の生誕地にあたり、延暦7年(788年)に没した際「生地である比良南麓の梛の大木の下に葬れ」と遺命したことから、この地に神霊として祀られたという。平治の乱(1159年)で敗走した源義朝の一行が当社で白羽鳴鏑の矢を献じて武運長久を祈り、途中で落伍した源頼朝も山中をさまよった末に社頭へたどり着いて源氏再興を祈願し、東国へ落ち延びたと伝える。後年、頼朝は神恩に報いて神田を寄進した。「還り来る」という社名の由緒から、日清・日露戦争や太平洋戦争では出征者の無事帰還を祈る参拝が絶えず、現在も旅行安全・交通安全・病気平癒・尋ね人の帰還祈願で信仰を集めている。