由緒
日本最大の落差(133m)を誇る那智の滝そのものを神体として仰ぐ自然崇拝が信仰の原点。滝の轟音と水しぶきが神の息吹と感じられ、古代人が畏敬の念を持ってこの地に集まったことが起源とされる。仁徳天皇5年(317年)に現在地へ社殿が遷されたとされるが、それ以前から縄文・弥生の時代から滝への信仰があったとも考えられる。「ここで参拝すれば死者が蘇る」「ここは浄土の入口」という伝承が広まり、平安時代には院政を行う上皇たちが何度も熊野詣を行った。「蟻の熊野詣」という言葉が示すように、身分を問わず人々が列をなして参拝したこの地は、中世日本の精神的な聖地の頂点に位置していた。